■ 2/4 10:00-11:00 オブジェクト脳をなぜつくるのか



●[プレゼンター] ウルシステムズ株式会社 テクノロジ ディレクター 平澤章 
/ NEC株式会社 第三産業システム開発事業部 主任 牛尾剛


●[説明]オブジェクト指向が現在のソフトウェア開発において必須技術となって
久しい。しかし依然として、現場では習得の難しい技術として敬遠されることも
多く、技術者の育成が急務となっている。この課題に対して、理論と実践という
全く正反対のアプローチから解説を試みた二人の著者がお互いの意見を熱く主張
する。


●[セッション記録]
オブジェクト指向の概念を考えるとき、「それをコンピュータで処理するにはど
のように実装したらよいのか?」などとはは考えてはいけない。


情報を知識化するために、手を動かしてコード書いてみること。「コピペ禁止!」


特に、以下の3点を押さえると、オブジェクト脳が芽生えてくる。
1 オブジェクト指向の考え方を活用するといかに作業が楽になるかといった実
益を体感すること。
2 概念と実装が結びつくこと。
3 わかった気になること。


オブジェクトは「もの」、クラスは共通の性質を持った「もの」、カプセル化
「適当説明」(適当に命令しておいて、詳細は相手にまかせる)
コボラーは、インスタンス変数を「長持ちするローカル変数仲間内だけのグロー
バル変数」と覚えておくと良い。
ポリモーフィズムとは「社長が壁越しに何人かの社員に同じ命令をした時に、同
じ命令しかしていないのに、それぞれが違う挙動を取るようなものだ」(笑)


平澤章さん、「オブジェクト指向は構造化プログラミングの発展形に過ぎない。
そんなに臆することは無いです」
牛尾剛さん、 「ポリモーフィズムの社長のたとえ話みたいに体で感覚的に理解
できることが大事。概念の説明のときに実装を考えちゃだめ」


●[話を聞いてみて]
イケ面サーファー風牛尾さんと、大学講師風平澤章さんがバトルをするという趣
向のセッション。
エンターテインメント性が高く飽きさせない工夫がされていた。
終始笑ってしまいもっと大事なことを言っていた気もするが爆笑のうちに終了し
てしまう。


ちなみにここでいうところの、「オブジェクト指向の考え方を活用するといかに
作業が楽になるかといった実益」とは再利用性を高めることにより、プログラマ
の作業を楽にしてあげられることに他ならない。再利用性(re-use)というキー
ワードは次のRationalのセッションでも繰り返し使われることになる。