■ 2/3 16:45-18:30 【オープンソース】なぜ「オープンソース」でうまくいくの

か?――後編:まつもとゆきひろが語る「オープンソース的開発手法の現実」


●[プレゼンター]株式会社テックスタイル TechStyle編集部 編集長 風穴江 /
ネットワーク応用通信研究所主任研究員 まつもとゆきひろ


●[説明]Rubyの開発者として世界的に著名なまつもとゆきひろ氏をゲストに迎
え、Rubyにおいてオープンソース的開発手法がどのように活用されたのか具体的
なエピソードも交えながら語っていただく。また、Rubyの開発などで直面した
オープンソース的開発手法の課題や、今後の可能性などについてもディスカッ
ションする。


●[話を聞いてみて]
言語処理系のソフトウェアの場合、ソースを非公開にしたビジネスでは中小企業
や個人が競争の土俵にすら上がることができない。Rubyオープンソースになっ
たのはそのような選択の余地の無い状況からの必然的なものであったようだ。


規模で負ける中小企業の場合、価格競争型のビジネスを避けるためには他との差
別化を図る必要があり、その選択肢の一つとしてオープンソースは非常に有効な
ものである、というようなことをおっしゃっていた。

●[セッション記録]
まつもとゆきひろさんが30分程度、自己紹介をされる。


「世の中には2種類のプログラマーがいる。より深く潜って行くプログラマー
と、上に留まるプログラマーである。より深く潜って行くプログラマーはライブ
ラリを作らずにはいられない。LinusみたいにOSを作らずにはいられない。ある
いは僕のように言語を作らずにはいられなくなるのだ。」


(どうしてRubyを作ったのか?という問いに対して。。。)
「ただやりたかったから、としか答えられないですね。」


(まつもとさんの勤めるネットワーク応用通信研究所はまつもとさんにRubyの開
発をさせることでどういう利益を得ているのか?という問いに対して)
「それは謎だなあ(笑)」


ちなみに、
「規模が40人程度の僕の在籍しているような企業の場合、他社と同じことをして
いては、埋没してしまいます。今の会社はオープンソースをキーテクノロジー
して考えています。このようなオープンソース専門の会社は全国で3,4社しかな
いでしょう。このキーテクノロジーを活かして競争力を高めるという方針です。
事実、場合によっては他社よりも高い額で案件を受注出来ています。」
とのこと。


●[参考資料]
Matzにっき
http://www.rubyist.net/~matz/
「実際には開発体制とか、コミュニティ運営の話になるのではないかと思う。」とのこと。