■ 2/3 11:15-12:00 【開発プロセス】XP事例カタログ



●[プレゼンター]大熊知栄 / 猪狩錦光 / 関将俊 / 小倉唯
●[説明]2001年にXPJUGが設立されてから今日に至るまでに、ユーザー会やイベン
ト等で紹介、発表されてきたXPプロジェクトを総括。カタログ化してご紹介する。


●[話を聞いてみて]
先ほどの「データモデルは作るだけでいいのか?」で登場した、「データモデ
ル」や「EA」というキーワードは、一度作った情報システムが論理モデル物理モ
デルが不可分な設計となっているために無駄に壊され再構築を繰り返したという
事情のもと、「そのような悲劇はもう繰り返したくない」という切実な社会から
の要望が表舞台に引っ張り上げてきたコトバだと思います。


また今回もまた悲話の方が目に付いてしまいます。
従来のシステム開発手法が上手く機能せず、ユーザー、開発者ともに不本意な結
果となるケースがあまりにも多かったのです。別段無理矢理に悲観的な話をしよ
うとしなくても、プログラマーならこのようなプロジェクトはいくらでも挙げる
ことができるでしょう。
ここでは、従来のいわゆる「ガチガチのウォーターフォール型のシステム開発
が行き詰まりを見せ、
またそこにプログラマーたちの閉息感もあり、そういった背景ががXP、アジャイ
ルの支持者を急速に増やす原動力となっていると思われます。特に開発の対象が
WEBに移行すると開発スパンが劇的に短くなり、従来の開発手法では時間的に追
いつかなくなってしまったことも、従来型の開発が行き詰まることになった一因
でしょう。


話者の話には終始一貫して、


「手法の手順や各フェーズごとのタスクにこだわるのは止めよう。もっと柔軟に
リクエストに対応して、必要とされているものを作っていこう」


という至極真っ当なポリシーが見て取れました。


セッション受講者の結構な割合がXP協会の関係者らしく、
ウケているポイントがいまいち分からないのと、内輪受けが多くて、ちょっと寂しい思いをした(笑)

XPJUGで日頃話題に上がっているような、いくつかの基礎知識を押さえていないと理解できない話題もあるように感じた。
プレゼンターの方々は若々しくて、くだけていて楽しそうな開発者って感じでした。その辺はXPの考え方にも通じるところがありそうだ。うん、俺向きかも知れない(笑)


●[セッション記録]
○3.5年目の報告  東芝医用システムエンジニアリング株式会社 関将俊さん
http://www.xpjug.org/xpjug_root/event/20040726maturi/regist/files/seki.pdf
XPが良いか悪いかなんて話はもうしないよ。の続編。


同僚K君とチームの話。XP型ではない他チームとの共同開発での苦労話。
「テストはXPの生命線である。」
「仕様変更とか設計ミスとか実装ミスとかそんな細かいことは気にしない。相手
の求めているものを開発することが目的であり、その目的遂行のためにXPを活用
している」


○株式会社NEC情報システムズ 猪狩錦光さん
XPを「妻」-「夫」-「お店」の例で面白おかしく説明。


○株式会社ピラミッド小倉唯克さん
ゲーム業界でのXPについて。
ゲーム業界でのXPについて普段あまり聞けない業界の話が聞けました。
ペアプログラミングによる共通体験を非常に重視している。」(意識や認識の
擦り合わせを密に行うことが作業効率のアップさせるから)
「タスクをコミットする前にマネージャーは本当に必要か吟味する必要がある。」

●[参考資料]
XPJUG 日本XPユーザグループ
http://www.xpjug.org/


エクストリーム・プログラミングとは?」その1
http://www.xpjug.org/xpjug_root/xp.html
eXtreme Programmingは、(略)ソフトウェア開発プロセスです。
XPは開発現場が抱える問題を解決する方法論として、
アメリカを中心として大流行しています。
(略)Smalltalker達の経験に裏打ちされた、
実践的な方法論です。


エクストリーム・プログラミングとは?」その2
http://www.objectclub.jp/community/XP-jp/xp_relate/xp-intro
XP はソフトウェアの「開発現場」がかかえている問題に,
真剣に立ち向かう新たな手法として
現在最も注目を浴びている開発方法論,
さらに言えば開発思想である.