デブサミ2005レポート


2/3,2/4と2日間にわたって青山でデベロッパーサミット2005が開催されました。
私は2日とも参加、おかげさまで13のセッションに参加することが出来ました。


もし私が「なぜこのようなセッションに参加するのか?」と問われれば、
「技術キーワードを話者の口から直接自分の耳に入れるため」と答えます。
後述しますが、このことはとても重要なことだと思っています。


今回、2日を通してキーワードとなる技術を上げると以下のとおりです。


SOA XML .NET J2EE EJB フレームワーク ORマッピング 組込み アジャ
イルとXP オープンソース


主観ですが、登場回数に基づいてこれらに順位付けを付けると以下のような感じ
になります。必ずしも聞いた回数ではなく、主観的なインパクトのようなものも
加味しての順位です。


1 SOA
2 .NET
3 XML
4 ORマッピング
5 オープンソース
6 組込み
7 J2EE
8 フレームワーク
9 アジャイルとXP
10EJB


ここ1年くらいの間にほぼ無名だったものが、突然タイムリーなコトバとして浮
上してきたものもあれば、
数年前からずっと注目され続けているキーワードもあります。


ですが必ずしも、その技術がキーワードとして頻繁に語られれば語られるほどそ
の技術が重要であることを意味しているとは限りません。


では、ハヤリの技術やキーワードを追いかけたって、結局振り回されて本質を見
失ってしまうだけだから無意味な行為でしょうか?
確かに一理あるかもしれませんが、全く無意味ではないと思います。やはりキー
ワードを考察することは有意義だと思います。


例えばこんな実益があります。
1「流行のキーワードをたくさん仕込んで専門家らしく振舞う」
手より口を動かすことの多い技術者なら、そういう実益もあるかもしれません。


2「とにかくまだみんなの知らない技術を覚えておく」
まだ技術的に確立しておらず、よって、キーワードの定義自体も曖昧な場合、
「それっていうのは、こういうことなんですよ。簡単でしょ」と言えるだけで、
その知識は金に換金できます。


ですが、技術キーワードを理解することによる最大の利益は、
「その中に現在のシステム開発における問題点や情報社会が抱えている問題点を
見出すことが出来る」

という点だと思います。


毎年毎年、様々な新しい技術キーワードが生まれます。そしてその中でもて囃さ
れるキーワードはごくわずかです。
これは社会全体が必要な技術キーワードを取捨選択して、必要なものだけ流行の
キーワードとしているのだと考えられます。


つまり、私たちの社会が足りないと考えているものを消費して、バランスを取ろ
うする行為が流行の技術キーワードの中に見て取れるのです。



たとえその技術キーワードがbuzzword(胡散臭い専門用語)でただの幻想だった
としても同じ事です。
やはり、その背景にはそのキーワードを藁にもすがる気持ちで欲する理由がある
のだと思います。


さて、そこまで話大きくするかと怒られそうなので、さっさと個別のセッション
のレポートをさせて頂きたいと思います。

まつもとさん語録とまつもとさんトリビアこちら!。スーパーエンジニアの素顔に迫ってみますよ(´ー`)  http://d.hatena.ne.jp/foojee/20050206 )

目次
■ 2/3 10:00-11:00 【DB】データモデルは作るだけでいいのか?
■ 2/3 11:15-12:00 【開発プロセス】XP事例カタログ
■ 2/3 13:00-14:00 【組込み】組込みスキル標準の開発と活用
■ 2/3 14:15-15:00 【オープンソース】軽量Javaへの潮流
■ 2/3 15:15-16:15 【オープンソース】なぜ「オープンソース」でうまくいくのか?――前編:オープンソース的開発手法の秘密をさぐる
■ 2/3 16:45-18:30 【オープンソース】なぜ「オープンソース」でうまくいくのか?――後編:まつもとゆきひろが語る「オープンソース的開発手法の現実」
■ 2/4 10:00-11:00 オブジェクト脳をなぜつくるのか
■ 2/4 11:15-12:00 【開発プロセス】Enterprise Unified Process入門
■ 2/4 13:00-14:00 はてなの作り方
■ 2/4 14:15-15:00 【DB】スマートデータベース Cacheの実力
■ 2/4 15:15-16:15 Webサービスは会議室で起きてるんじゃない、現場で起きてるんだっ
■ 2/4 16:30-17:15 【開発プロセス】SOAによるシステム開発のプロセスを考える
■ 2/4 17:30-18:15 ファシリテーション入門